八丈島ゆるポタ旅行【前編】 飛行機輪行&船輪行でいく一人旅

少し長めの休暇を取ることができたため、家族の協力を得て一人旅に出てきました。行き先は八丈島。住所区分としては東京都内なんですけど、地理的にははるか南西にある離島です。

ちなみにこの模様はYoutubeに動画も上げているので記事を読むのがめんどい方はぜひこちらもどうぞ。

目次

当初の旅行計画

僕にとって八丈島は初上陸ですし、島旅というのは僕の長年の憧れでもありました。なので、事前に念入りに計画を立てて望みました(計画通りに実行できたかというと、それは後述の通り波乱があったわけですが……)。

八丈島で何をしたかったか?

自転車にハマってしまった僕ですから、八丈島にも当然、自転車を持ち込んでサイクリング旅行と洒落込むつもりでした。そして自転車旅といえば「〇〇一周」ですよね。そのへんも踏まえて僕が立てた目標はつぎの3つ。

目標その1 目指せ八丈島一周

八丈島には外周ぐるっと道路が走っていまして、これは一周およそ45km。自転車で一周するのも非現実的でない、ちょうど良い距離に見えます。第一目標はこの道路を使って島を一周する、「八丈島一周」と定めました。

目標その2 八丈富士の「お鉢巡り」

八丈島は火山島でして、「八丈富士」と呼ばれる票高300mほどの美しい山がそのシンボルにもなっています。この山の頂上はカルデラ状になっていまして、その外周をぐるっと歩くトレッキングコースが「お鉢巡り」と呼ばれています。ある程度健脚な方にとっては八丈島観光のハイライトと言っていいこのアクティビティは、ぜひ体験したいと思っていました。これが第二目標です。

ちなみに、山頂付近まではもちろん自転車は立ち入りできないのですが、山の中腹の登山口までは自転車でいくことが可能です。ゴリゴリのヒルクライムですが……。

目標その3 船旅も満喫したい!

東京から八丈島までは、飛行機なら羽田からわずか一時間。しかし八丈島行きはもう一つ方法がありまして、東京の竹芝埠頭から大型客船で行く事もできます。夜の10時に出発して、翌朝だいたい9時に島に到着。ですから実に10時間の海の旅ということになります。

タイパ重視なら断然飛行機なんですが、のんびりと海を眺めながらの船旅ってのも憧れませんか? 僕の場合それに加えて、飛行機輪行ちょっと不安……ってのもあり、今回は行き帰りともに船旅を選択しました。

しかも!
今回はただの船旅じゃありません。こういう大型客船って雑魚寝部屋とか高速バスみたいな椅子席だと飛行機よりお安く移動できちゃうんですが、もうちょっと料金をプラスすれば個室を使うことができます。ホテルのような広々としたベッドとプライバシーの確保された個室で、優雅に船の旅を満喫できるわけです。今回はかなり奮発して、「特等室」を予約しました。

©東海汽船

お財布事情的にさすがに往復ともにってわけにはいかなかったので、行きだけですが。まあ、帰りは朝に島を出て夕方に東京に到着しますので、ベッドは要らないかな?ってのもあります。とにかく個人的には、この特等室も八丈島旅行の裏ハイライトと捉えておりました。

3泊4日の八丈島旅行計画が決定

ということで、八丈島一日目に島を一周し、二日目に「お鉢巡り」に挑戦するという、3泊4日の八丈島旅行計画の大枠が決まりました。「ん? 3泊4日?」と思われるかもしれませんが、行きの船中で一泊し、帰りの船が朝に島を出るので、八丈島には二泊することになり、この日程になります。もちろん飛行機で効率的にやろうと思えば一泊二日でいけちゃうとは思うんですけどね。

事前にウッキウキで作っていた旅のしおり

バイクパッキング

今回は自転車旅ということで、荷物はすべて自転車に積んで行くことになります。僕は旅行時の荷物は少ないほうだと自負していますが、3泊ともなると着替え含めてそれなりにかさばります。それに対応するため、ハンドルバーバッグとフレームバッグを新調して、積載量アップを図りました。

いざ、八丈島へ出発!

そして迎えた八丈島旅行当日。
意気揚々と出発……してないんですね。これが出発時の様子ですが、じつはかなり落胆しております。

そしてモロになのがおわかりになりますでしょうか? 八丈島行きの船は東京港を夜の10時に出発する、はずでしたよね? じゃあなぜ朝に出発してるの?

船が出ない……

実は上の写真は当初の出発予定日の翌朝です。
前日の夕方、特等席の予約を取ってウキウキだった大型客船が欠航となる旨の連絡があったのです。いや、そんな事あるの? って思ったんですが、八丈島周辺は風が強いと波が高くなり、船が接岸できないことも珍しくないようです。いやー、これはショックですね。

宿のキャンセル料を払って旅行自体を中止にすることもできたのですが、やはり計画を練りに練っていた八丈島旅行を諦めきれず、予定を変更して翌日昼の飛行機で島に向かうことにしました。

半田空港まで自走

ということで、練馬の自宅から羽田まで自転車で向かいます。乗る予定の飛行機はお昼の便ですが、初めて走る道だし飛行機に乗るのも久しぶりすぎて勝手がわからない。距離的には40km程度ですから、のんびり走っても3時間くらいとは思うんですけど、慣れない空港で自転車を分解することを考えて、早朝ってほどでもないですが7時には自宅を出発しています。

最初こそ、「あ〜俺の特等室の船旅が……」なんて未練タラタラだったわけですが、走ってるうちにだんだんと気分も切り替わり、まだ見ぬ八丈島に胸が高鳴ってきます。

羽田空港 第2ターミナル

初めての飛行機輪行、しかし飛行機は飛ぶのだろうか?

何はともあれ無事羽田空港の第2ターミナルに到着。
時間的には余裕たっぷりで、慣れないながら相棒のFUJI NAOMIを輪行袋に収納し、手荷物として預ける事ができました。

しかし、まだ安心はできません。というのも、船が接岸できないくらいですから八丈島上空は強風が予想され、状況によっては飛行機が飛ばない可能性もあるとのこと。そして仮に飛んだとしても、現地の状況を見て着陸を試みず引き返すこともありうると。

じりじりと出発時間を待ちますが……。

無事離陸!

そして無事着陸!(だいぶ揺れたけど)

憧れの八丈島に到着!

初っ端から波乱万丈になってしまいましたが、なんとか八丈島に初上陸!
空港を出ると目の前にそびえ立つ八丈富士!
そして南国っぽい植栽!
気分上がる〜!といいたいところなんですが、とにかく風が強いのなんの。台風でも来てるのかって感じです。
後で地元の人の話を聞いて知ったことですが、この次期八丈島では季節風のような形で西風がずっと吹いてるそうですね。

輪行袋をぶっ飛ばされそうになりながら自転車を組み立て、ひとまずは空港から北西へ向かいます。目指すは底土港。予定通り船で来ていたら上陸地点になるはずだったあたり。宿もその近くにとってあり、八丈島一周のスタート&ゴール地点にもしようとしていたエリアです。

ヤシの木っぽい街路樹が並ぶ坂道を降って海岸に出ると、あきらかに東京湾とは違う海の青さにハッとします。八丈ブルーなんていうようですが、この深く澄んだ独特の海の色はやはり離島特有かなと思います。

そして底土港の待合所へ。屋上が展望台になっています。どこまでも広がる海の荒々しさが、離島に来たんだと再認識させてくれます。
しかし、それにしても風が強い。舞い上がった海水が潮風に乗って顔に吹き付けて来ます。このへんで、空港に着いたあたりからうすうす感じていた不安が頭の中で明確に形を持ち始めます。すなわち、

八丈島一周は厳しいのではないか?

ということです。

・ときおりハンドルが取られるほどの強風
・スタート時刻の大幅な遅れ
・そして、一周道路の起伏が想定よりも激しそう

これらのことから、下手したら「暗い島の夜に山道の途中で立ち往生」みたいなことになるかもしれないと考え、ひとまず落ち着いて計画を見直すため、ちょっと早かったのですが宿にチェックインさせてもらうことにしました。

最高のオーシャンビュー!

今回宿泊したのは豪華なホテルではなく安価なゲストハウスでしたが、しっかり個室でアメニティも十分。和室二間ついて窓の外はすぐに海という、なかなか良い宿でした。調度が素朴なぶん、実家に帰ってきたような安心感があって落ち着けます。

……と、落ち着いてばかりもいられません。
この時点で時刻は15時過ぎ。もし八丈島一周を強行するならタイムリミットが近い。二日目と予定を入れ替えて八丈富士のお鉢巡りにいくにしても、のんびりしていると暗くなってからの下山になってしまい危険です。

一日目の予定は白紙に……ゆるポタに変更

結局、初日は島一周もお鉢巡りも断念しました。
強風の中ではロングライドも登山も危険が伴います。旅行者として、事故でも起こして現地の皆さんに迷惑をかける訳にはいきませんからね。残念ですが……旅は安全第一!

ということで、この日はゆるポタ(風はゆるくない)に変更!
八丈島に来たら食べてみたかった、「島寿司」を買いに行くことに。ちゃんとしたお店もあるんですけど、スーパーの島寿司も意外と行けるぞって話を事前に聞いていたので、今回は節約して地元のスーパー「八丈ストア」へ!

ありました島寿司。
観光地価格なのかまあまあのお値段ですが、琥珀色の白身魚のヅケがなんとも食欲をそそります。魚種は決まってなさそうです。ちなみに島の物価は都心と比べてもそう変わらなかったですね。寿司の他にも翌日の補給食やドリンクになりそうなものを買い込み、宿へ帰還。

改めて島寿司。白身魚のヅケのお寿司なんですけど、江戸前だったらわさびが入ってるところ、島寿司は練り芥子なんですよね。島という風土が関係しているのでしょうか。
僕は刺身といえば脂の乗った白身が大好物なので、島寿司は本当に大満足でした。ごちそうさまでした。

夕日を見に行こう

寿司を食ってのんびりしているうちにい結構いい時間に。
島の周りは遮るもののない太平洋ということで、日没が美しいのも八丈島の魅力となっています。しかし僕が宿泊していたのは島の東側。夕日は見えません。

だったら、行こうじゃねえか西側へ! ってことで、この日のポタリングの締めに島の反対側に夕日を見に行ってみることにしました。

八丈島西岸から見る、太平洋に沈む夕日。雲が多く、びっくりするほど美しい!って感じにはなってくれませんでした。
しかし自転車で島を横断できてしまうという体験が面白く、やはり「離島に来てるんだな〜」という実感を強くしてくれました。

一日目、終了

部屋に戻ってスーパーで買った軽食で晩飯を済ませながら、翌日の予定に思いを巡らせます。
今日できなかった八丈島一周のリベンジをすべきか?
それとも、当初の予定通り明日は「お鉢巡り」に向かうのか?

結論としては、後者を選択しました。
「一周」は八丈島以外でもできますが、「お鉢巡り」はこの島ならでは。天気にも恵まれそうなので、このチャンスを逃したら後悔しそうだなということで。

そう決めたら、眠気が襲ってきました。
なんだかんだで60kmくらいは走りましたし、慣れない飛行機に慣れない土地。疲れが溜まっていたのでしょう。
明日も明日で、山の中腹の登山口まで自転車で登り、そこから山頂まで徒歩で登山という、結構ハードなクライミング・デーになります。体力を回復するためにも、早めに就寝することにしました。

後編へ続く!

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