MacでGeForce NOW 使ってみた結果

このページを見に来た人で「GeForce NOWって何?」って人は少ないと思いますが一応書いておくと、GPUメーカーとして有名なNVIDIAが提供する、クラウドゲーミングサービスです。

目次

GeForce NOWって何?

通常、PCゲームを快適に動かそうと思ったらいわゆる「ゲーミングPC」と呼ばれるような高額なパソコンが必要になります。あるいはゲーム機を買うか。

しかし「GeForce NOW」では、NVIDIAが所有するネット上の高性能なサーバー(コンピューター)内でゲームを動かし、マウスやキーボードの操作情報を送信&ゲームの映像をストリーミングで受信することで自分の端末のスペックが低くても重いPCゲームをサクサク遊べちゃう、というサービスです。

ただし、ゲームの映像自体をストリーミング再生しているわけですからネット回線の速度は非常に重要。ここが整っていないと映像が物切れになったり、画質がガビガビになったりして快適なプレイは望めません。

それでも、回線さえしっかりしていれば低スぺPCでもアンドロイドスマホでも、そしてMac環境でも、PCゲームが遊べてしまうというのはかなり魅力的です。

実際にGeForce NOWを使ってみた

私のメインパソコンは先日購入したばかりの27インチ iMac 2020モデルです。Mac対応のPCゲームは極めて少なく、「やってみたいなー」と思えるタイトルがあっても指をくわえてみていることしかできませんでした。そう、GeForce NOWがやってくるまではね!

ということで、MacからPCゲームをプレイすべく、GeForce NOWを試してみたわけです。

余談ですが最近ちょっと色々ありまして、数週間だけWindowsPCを使っておりました。その時「せっかくだから」と気になっていたゲームに次々手を出しました。が、今ではWINDOWS機は売ってしまって手元にないので全部中断したまま。

しかしGeForce NOWなら、Macでゲームの続きが遊べちゃうわけです。SteamやEpic gamesのアカウントで購入したゲームを、セーブデータをそのまま引き継いで遊べるってのが嬉しいですね。

GeForce NOWの使い方

GeForce NOWに登録し、アプリケーションを手元のPCやスマホにインストールしたら、ゲームを起動するのは割と簡単です。ただ懇切丁寧なUIがあるわけではないので、ゲーム慣れしていないと戸惑うかも。

PCゲームほぼ未経験、という方は、遊びたいゲームがあれば事前にゲームタイトルの公式サイトなどからユーザー登録をしておくと非常にスムーズに遊び始められます。最近のゲームは大抵ユーザー登録が必要になってますからね。

以下は、ゲーム販売プラットフォームの「STEAM」で購入したゲームを「GeForce NOW」で遊ぶまでの様子です。

まず遊びたいゲームを「マイゲーム」に追加します。検索窓にゲームタイトルを入力し、選ぶだけ。

遊びたいタイトルを追加出来たらクリックするとSTEAM等プラットフォームのログイン画面が出ます。残念ながらこれは毎回出ます。

ログインが完了して少し待つと……

無事ゲームが開始しました!

GeForce NOWは実用レベルに到達しているのか?

で、実際にGeForce NOWを使ってゲームをしてみた感想ですが……。正直なところ、まだまだ快適にプレイできる段階にはない、と感じてしまいました。取り急ぎ試したのは以下のタイトル。

  1. Apex legends
  2. The hunter – Call of the Wild
  3. Death Stranding

もっとも心配していた操作のラグですが、これは意外と気になりませんでした。視点移動なども、マウスの動作にごくごく短時間遅れるものの、すぐに吸い付くように追従してきて数分もプレイすれば慣れてしまいました。コンマ数秒の反応速度が求められるPFSなどの対戦ゲームだと問題になるかもしれませんが、そもそもそういうゲームをガンガンやる人はゲーミングPCと良いモニターを買うべきでしょうね。

一方、不満を感じたのは画質面です。
GeForce NOWが提供する最高解像度自体がフルHD(1920*1080)どまりですし、ゲームによっては720p固定だったりしますので、僕のように27インチとかの大型モニターでプレイしようと思うと、画面はかなりぼやけた感じになります。グラフィックが売りのゲームなんかは、ちょっと楽しみ切れないかもなーという印象です。

今回、回線速度にはある程度余裕をもって試用してみたつもりでした。戸建て向けの光回線に有線LANで接続し、接続速度で言うと常時100Mbps程度は出る状態です。
しかしそれでも、時折カクついたり画面がガビガビになったりして、そうなると意図しないキー操作なども発生してしまい、プレイに支障が出ることもありました。

この現象の多くはどうも僕の家族がスマホでツイッターや動画などを見ていて帯域がかち合っていたのが原因のようなのですが、明らかに他の通信が行われていないタイミングでも発生していたのでよくわからないというのが正直なところです。サービス自体が不安定になることもあるのかもしれません。

GeForce NOWの良いところ

プレイした感想としてはちょいと辛口になってしまいましたが、人によってはまあまあ使えるサービスなんではないでしょうか。

特にMacユーザーにとっては、仮想OSでWindowsを立ち上げることなくサクッとPCゲームが遊べてしまうのはかなりお手軽で嬉しい。MacBook系などのあまり大きくないディスプレイだと画質面も気になりにくいので、意外と実用的な気がします。

他にも費用的・スペース的にゲーミングPCを買えない、置けない、でもゲームはしたい! という場合の解決策としてはアリかも。というか、そんなワガママ他の方法ではかなえられないか。

GeForce NOWの悪いところ

まずですね、日本におけるこのサービスの悪いところは何と言っても価格面です。実はGeForce NOWは海外では月額5ドルでサービス提供しています。今の相場だと550円くらいですかね。それが、日本国内ではなんと1800円です。3倍。頭おかしいんじゃないの? Softbankやauが間に入っているので相当中抜きしてるんでしょうが、それにしても高い。後述しますがこれが状況を悪くしてます。

それと、対応してないゲームも多いので注意が必要です。日本で人気の高いカプコンもスクエニもGeForce NOWから撤退しているので、自分がやりたいゲームが対応しているかは確認しておく必要があります。

大画面・高画質のプレイには対応していない、というのも残念ポイントでしょう。解像度は最高でフルHDですし、接続状況が悪ければそれでもガビガビになります。27インチiMacのユーザーとしてはせめてWQHDでプレイできると嬉しかったんですけどね。

また、小さいとはいえ操作と映像にラグが生じるので、シビアな操作が求められるFPSなどには向きません。人気のAPEXなんかも「ちょっとやってみようかなー」くらいのモチベーションだと「結構遊べるな!」って思うかもしれませんが、勝ちに行くという観点で見ると細かなラグも命取りですから、GeForce NOWで恒常的にプレイしようというゲーマーは少ないと思います。お勧めも出来ません。

スマホ・タブレットでもPC用の重いゲームができる!というのがGeForce NOWの一つの売りですが、結局回線がクソだとプレイ体験もクソになるので、お外で本格的にゲーム!というのはあまり現実的ではありません。

GeForce NOWって誰に向いてるの?

まとめると、グラフィックにも勝敗にもそこまで拘らずカジュアルにゲームを楽しみたい、ゲーミングPCを持ってない人たちがこのサービスのメインターゲットになるはずです。現状のサービスクオリティならね。

ところが、月額1800円という高額な料金設定によってそういうカジュアル層にとっては魅力の少ない状態になっていると思うし、逆に1800円払ってでも高画質設定で重いゲームをプレイしたい!という層にアピールできるレベルのサービスは提供できていない。

つまり、誰にも向いてない

いや、強いて言うなら「PCゲームを本格的に始めてみたいけど飽きずに続けられるかわからない。もしかしたら向いてないかも。それなのにゲーミングPC買うのはちょっと不安だなあ、事前にお試しできないかなあ?」という人には、もしかしたらちょうどいいサービスなのかもしれない。

あ、もしくは、低画質とラグと月額1800円を我慢しながらゲームプレイすることに抵抗のない人。いや、これ皮肉で言ってるわけじゃなくて、多分一定数こういう人もいるんですよね。経済的に余裕があり、自分のデバイスにゲームをインストールはしたくないけど暇つぶしに流行りのゲームをつまみ食いしたい、みたいな。そういう人には確かに向いているのかも。

無料で試せるので試してみてくれ

いずれにしても、各自の回線や環境、プレイしたいゲームタイトルによって、快適さは大きく違ってきそう。僕は酷評したけどこれで十分という人もいるみたいだし、GeForce NOW powerd by Softbank は二週間無料で試せるので、気になる人は試してみるのがいいと思う。

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