Apple AirPods Pro を買ってみましたが…うーん?(2D15も適用)

発売から時間も経っていて今更感ありますが、Apple純正のノイキャン付きワイヤレスイヤフォン、「AirPods Pro」を購入しましたので記事にしてみます。

初めにお断りしときますと、僕は正直言って音響機器には疎いです。

どれくらいかと言うと、AirPods Proを買うまで外で使うイヤフォンはiPhoneの付属の白いやつだったし、PCのスピーカーはiMacの内臓で済ませていて何の不満もありませんでした。

なのでオーディオガチ勢の方にとっては参考にならないただの感想記事になると思いますのでどうぞ悪しからず。あと買った経緯なんかもダラダラ書いてますが結論を読みたい方はすっ飛ばしてください。

目次

AirPods Proはどんな製品?

AirPods Proについては情報がめちゃくちゃ出回ってますし、Youtubeに行けばレビュー動画なんかも腐るほど上がってます。なので簡潔に概要だけ書いておくと、下記のような特徴を持ったイヤフォンです。(Appleの公式ページはこちら)。

  1. 完全ワイヤレス
  2. アクティブノイズキャンセリング搭載
  3. Apple純正でiOS・iPadOSとの高い親和性あり
  4. 外部音取り込みモードもある

まあ、僕はもともとこの製品を買うつもりなんて全然なかったんです。そもそも「ワイヤレス」というものを全く信頼していなかった(音質も安定性も)し、何より価格が高い! イヤフォンに3万以上というのはどう考えても常軌を逸している……と考える側の人間でした。

すべては新型コロナのせい

じゃあ何故購入に至ったかというと、現在世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス COVID-19のせいです。

……と言っても意味不明なんでもう少し噛み砕くと、「ノイズキャンセリング」が必要になったからというのが一番。

僕は都内在住・都内勤務ですが、うちの職場ではいまだにテレワークなんぞは申し訳程度にしか導入されず、人が減り毎日祝日みたいな地下鉄で日々通勤を続けております。その40分以上の通勤時間を慰めてくれるのはKindle本か、読むものがないときは音楽です。

……が。そもそも地下鉄で音楽を聴くというのはある種の苦行ですよね。

狭いトンネル内を高速移動する鉄の箱の走行音は強烈です。しかも低音がボリューミーなので、耳の健康を考えてチョロチョロ流す音楽なんてほとんど聞こえない。それでも僕は今まで、iPhone付属の白い有線イヤフォンを爆音にして何とか音楽を聴き続けていました。

まあその状態も明らかに耳には悪いしやめたほうがいいんですけど、今まではそれで何とかやってこれたんです。そう、コロナ禍が到来するまではね。

というのも、新型コロナウイルスの感染予防のためってことで、都内の地下鉄は窓を開けて走るようになりました。これがもう、うるさいのなんの。ただでさえ大きかった走行音が何割増しに響いてます。ここに至ってはさすがにまともに音楽が聴けなくなりました。それでノイズキャンセリングのイヤフォンに興味を持ち始めたというわけ。

AirPods Proに決めた理由

ノイズキャンセリングというと耳を覆うヘッドフォンタイプの方が性能は上というのが定説ですが、僕は今回はイヤフォンに絞って探しました。通勤時の荷物を可能な限り減らしたいというのが僕のポリシーでして、それを優先した結果です。

で、そうなるともうAirPods Proが超有力候補になってきました。

ひとつ目の理由はノイズキャンセリング性能

AirPods Proのノイキャンはすごいぞ、という話は兼ねてから聞いていました。実物を試せる機会はなかったんですが、他の人のレビューなんかを漁ってみると、評判の高かったソニーの「WF-1000XM3」を低音域では上回る、とまで言っている人が多くて、僕の用途(地下鉄で長時間利用)を考えるとノイキャン性能的には「適しているだろう」と判断しました(これは買う前の想像です)。

理由二つ目はアップル純正であるという点です。

正直いくらAirPods Proのノイキャンが優秀でも、Bluetooth接続の無線イヤフォンは接続の安定性に不安があり、地下鉄がうるさくなる前までは完全にアウトオブ眼中だったんですよね。

とはいえ僕のスマホはiPhone7。イヤフォンジャックがないため通常の有線イヤフォンは使えませんから、イヤフォンを新調するなら無線を検討せざるを得ませんでした。

心情としては無線というものに対して抵抗感があったんですが、ちょっと調べたところAirPods ProはiOS側がペアリングをサポートしていて、iPhoneで使う分には接続は非常に安定しているらしい……ということで、「それならば」とにわかに有力候補として射程に入ってきたわけです。

アップル純正品の利点は他にもあります。

僕の自宅には妻のiPad Proもあるんですよね。頻度は高くないものの、僕もこれを借りてゲームやら動画視聴をすることがあります。ところが実はこのiPad Proに関しては、兼ねてからイヤフォン周りの不満を抱えていたんです。

何しろiPad ProにはUSB-C端子しかついてないので、手持ちのイヤフォン、ヘッドフォンが使えないんですよね。iPhone付属のLightning端子のやつも当然使用不可。
アダプタや無線イヤホンを買う気もしなかったのでスピーカからの音声のみで使用していたため、家族が寝静まった深夜のゲームなんかは不可能でしたし、そうでなくても音量には気を使ってました。

それがあったので、AirPods Proを検討し始めた時に「あれ? もしかしたら同じApple製品同士、一台のAirPods ProをiPhoneとiPad間で簡単に接続切り替えて便利に使えるんじゃないの!?」と思いつきました。

で、調べてみたら、ビンゴ! 他の他社製のBluetooth機器と違って、AirPodsシリーズはiPhone・iPad双方にペアリング登録しておくと3タップくらいで接続先を切り替えられるんですよね。これはかなり決め手になりました。切り替えるたびにイチイチBluetoothの設定画面を開いて…なんて操作が必要だったらちょっと不便すぎて僕の性格では掛け持ち使用はできなかったです。(追記:他社製イヤフォンやスピーカーでも同じようなことができるっぽい)

ここまでまとめるとこうです。

  • ノイズキャンセリングが重要であり(現状、業界最高峰)
  • iPhoneで使用する予定で(接続が安定してる)
  • iPadなど他のサブのApple製品でも使用するかも(切り替えが楽ちん)

イヤフォンとしてはかなりの高額ガジェットと言えますが、上記のように僕自身がこの製品のターゲットドンズバな状況ですので、まあ買って損はしないだろう、ってことで購入を決めました(Appleに囲い込まれてるなぁ、ってのは感じますけどね……)。

開封・ハンズオン

ってことで、先日ポチったのが手元に届きましたので外観などをチェック。

AirPods Pro 化粧箱

箱からしてキレイなのはいつものApple。

内容物

肝心の製品ですが、これは質感高いと思います。細部にも手を抜いてないのが伝わってきます。ただ最近のAppleのケーブル関係は品質が微妙なんで、ワイヤレスになったことで総合的なクオリティが上がって見えてるだけって気も。

充電ケースと本体

充電ケースも問題はなさそう。無線充電にも対応してますが我が家には対応機器がありませんので試せません。有線の場合lightningケーブルってのが、どうなんですかね? もうUSB-Cでよかったのでは?

使ってみてどうだったか

ここからは実際に使ってみた感想を。

ノイズキャンセリングの効果やいかに?

早く使いたくて仕方がなかった、ソニーを凌ぐという噂のノイキャン。いざ試してみると……うん、まあ、なるほど。

率直に言ってしまうと、AirPods Proのノイズキャンセリング効果は「期待していたほどではない」というのが正直な感想です。方々で「すごい」「騒音が消える」なんて持て囃されているのを見てきているから、こういう感想になったのかもしれませんが。

僕の理想:

地下鉄くん「グオオオオオォォゴゴゴゴブウゥゥゥーン!」
僕 スッ(AirPods Pro装着)
地下鉄くん「……スン……」
僕「うわぁ……AirPods Proを装着すると地下鉄内の騒音が消えて静かな室内で音楽を聴いているみたい!」

現実:

地下鉄くん「グオオオオオォォゴゴゴゴブウゥゥゥーン!」
僕 スッ(AirPods Pro装着)
地下鉄くん「…ガタンガタンゴゴゴ!」
僕「うん、まあ……静かにはなってるんだけどね……」

……とまあ、こんな感じです。

誤解を招かないように書いておくと、通常使用においてはAirPods Proのノイキャンは相当満足のいく仕上がりだと思います。

一例を挙げてみますと、AirPods proが家に届いた直後、僕はさっそく装着してノイキャンをオンにし、外に出てみたんです。でも自分の足音はカツカツと聞こえるし、バイクが通ればブーンと音がします。散歩中の犬が吠えればそれも聞こえる。

それで僕は「ん? これノイズキャンセル効いてんのか? もしかしてオフになってる?」と思い「うどん」をギューッと摘まみました(ノイキャンのON/OFFスイッチです)。するとピポン♪と操作音が鳴り、続いてブオオーっという低音ノイズが現れました。そしてふと空を見上げると、なんと真上を飛行機が飛んでたんです。

それで「あ、効いてたんだ」と分かりました。それもかなりエグい効き方。楽しくなって何度もオン・オフして遊んじゃいました。ともかくAirPods proのノイズキャンセリング性能は決して貧弱ではありません。車の後部座席とか賑やかな雑踏とかで使うならば、間違いなく信頼できるノイキャン性能を有していると思います。

だからまあ、結局「窓を開けて走る地下鉄で音楽を聴く」という僕の用途がハードすぎるんですよね。耳栓をしても突き抜けてくるレベルの音はノイズキャンセリングでもどうしようもないって事でしょう。

ただそれでも、このノイキャンによって「窓を開けるようになる前の普通の地下鉄」レベルには音楽を聴けるようになりました。少々期待外れではありましたが、不可能だったことが可能になったのはデカい。せっかく買ったことですししばらく使い続けてみたいと思います。

消えやすいノイズと消えにくいノイズ

もう少し書いておくと、AirPods proのアクティブノイズキャンセリング機能で消せるノイズもあれば消せないノイズもあるというのを感じてます。私感ですが例えるなら「BGMは消えやすいけどSEは消え難い」って感じかな?

飛行機の音は消してくれても犬の鳴き声は消えない。

地下鉄のノイズにしても、ずっと鳴っている「ゴーッ!」という低音ノイズはかなり低減され、気にならなくなります。しかし車輪とレールが当たる「ガタン」という音、風圧による「ブオン」というようなピーキーな?音についてはさほど消してくれません。地下鉄はこの「ガタン」が延々鳴っているので、「静寂を手に入れる」にはちょっと厳しいんだと思います。

どれだけいるかわかりませんが、僕と同じように地下鉄がうるさくなってAirPods proを検討し始めたような方は参考にしてみてください。

外部音取り込みモードについて

当初はあまり気に留めてなかったこのモードですが、これも完成度高いですね。こんなの使う機会あるかなぁ? と思ってたんですが、AirPods Proを耳にはめてみて「なるほど、これは必要かも」と納得しました。

例えば電車に乗ってて遅延などイレギュラーなアナウンスが流れたときとか、誰かに話しかけられたとき、有線イヤフォンだととっさに耳から外して聞いたりするんですけど、左右独立型の完全無線イヤフォンでそれをやるのはちょっと怖い。ポロっと落としそうだし、落としたら転がって紛失してしまいそうなんですよね。

そんな時に外部音取り込みモードを有効にすると一時的にイヤフォンを外すのに近い効果を得ることができるわけです。加えて音楽も止めてしまうと、まるっきり何もつけていない感覚になります。慣れるまではちょっと不思議な感じがしますね。

音質は?

カナル式イヤフォンの音質にそこまで期待してはいけない、というのがそもそもの大前提で、そのうえで読んでほしいのですが。

僕が主に聞くジャンルは電子音楽(EDMとかエレクトロニカとか)と、古いジャズです。どちらも低音(バスドラムやシンセベース、ウッドベース)がしっかり聞こえないと魅力半減なので、AirPods Proでどう聞こえるかちょっと不安でした。基本的にカナル式は低音が弱いので。

しかし杞憂でした。さすがに高級品です。
静かな場所でも地下鉄(NCあり)でも、ばっちり低音まで聞こえます。かといってドンシャリでもなく、金物系や弦の音もきれいです。僕は音質に関するボキャブラリが貧弱なのであまり詳しく書けませんが、日常のリスニング用途において不満があるかと訊かれたら、僕は「NO」ですね。まあ問題なし。

音質にこだわってクラシックなんかを聞く向きにはどうだかわかりませんが。

ペアリングの切り替えは?

購入の大きな動機となった、iPhone⇔iPad間の接続切り替え。これについては手順も見ていきましょうか。

例えば通常iPnoneに接続してあるAirPods proをiPadで使いたくなったら、まずはiPadの近くでAirPods proのケースを開きます。すると自動的にiPad側がAirPodsを認識してAirPods proの画像が表示されますので、その状態でコントロールセンターを開きます。

右上の音楽プレイヤーのさらに右上、「AirPlay アイコン」をタップすると接続デバイスの一覧が表示されます。ここにはすでにAirPods proが表示されているはずですから、それをタップしてあげれば接続は完了。1スワイプ+2タップの手間のみですから、実に楽チンでわかりやすいと思います。

接続の安定性はどうか?

僕がBluetoothイヤフォンを導入するにあたって一番不安に感じていたのが、この接続の安定性がどうか?というポイントでした。

突如接続が切れてスピーカーから音楽が流れたりするのがめちゃくちゃ嫌だし怖かったんですよね。

しかしAirPods Proに関して言えば本当に安定していて、二週間ほど使用し、iPadとの接続切り替えを何度もしていますが、これまで全くトラブルなし。思い通りに動いてくれています。接続に関しての不安は全くの杞憂だったと思います、今のところは。

最新ファームウェア(2D15)もインストールしてみました

2020年5月5日、AirPods Proの最新ファームウェアが公開され、各個の端末にも順次自動インストールされ始めました。

このファームウェアはユーザーが意図的にインストールする方法はなく、iPhone等と接続されている状態で充電ケースを電源に接続すると自動で勝手にアプデートが開始されるようです。

わりとよく知られていることですが、このファームウェア更新はちょっと曰く付きなんですよね。2020年1月下旬にリリースされた前回のファームウェア更新では、音質は向上したもののノイズキャンセリング性能が落ちたと言われていて、Apple自体が更新を取り下げた経緯があります。

僕のAirPods Proは実はその「ノイズキャンセリング性能が落ちた」と言われているファームウェアが適用された状態でしたので、もしかすると今回の更新で、地下鉄での使用感も劇的に向上するかも?と期待したんですが……。

音質は確かに変わった……ノイキャンは???

更新してみた結果、音質については確かに違いを感じました。高音域がパリッと聞こえるようになって、全体としてより奥行きを感じるようになった気がします。それ以外の大きな変化は僕の耳ではわかりませんでしたが、好意的に受け止めてます。

で、重要なノイキャン性能ですが、残念ながら地下鉄使用においてはほとんど差を感じませんでした。その他の場面でも、僕の使用期間が短いこともあり目覚ましい変化は感じず。というか、そもそもノイキャン性能って客観的に記録に残せないのでちょっと比較が難しいですね……。

ま、今後のさらなる進化に期待ですかね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次